9月12日開催、文学茶話会 小林エリカさん回 の予習をいたしましょう。


『光の子ども』(1、2、3)は、放射能をテーマに描かれたコミックです。
    放射能という不思議な存在は、いつ、どこから、どうやって、ここへ来たのか?    2011年の日本に生まれた“光”と猫の“エルヴィン”の視点から、放射能の歴史がひもとかれていきます。

    科学者マリ・キュリーによって見いだされ、その現象が放射能と名づけられるところに端を発し、戦争での使用が検討されていくまでの過程が、作品内では追いかけられていきます。
    こののちマンハッタン・プロジェクト、広島・長崎、原子力発電、スリーマイル、チェルノブイリを経て、福島へと至る流れが、描き継がれていくことになるのでしょうか。
    膨大な資料が、コンパクトに整理されながら参照されるので、放射能の歴史をひと通り学ぶことができます。これほどわかりやすく放射能について教えてくれる書きものは、ほかになかなかないでしょう。

    小林エリカさんはこれまで一貫して、「目に見えないもの」に強い関心を抱き、創作の原動力としてきました。なかでも放射能と核のことは、ずっと大きいテーマとして扱ってきています。
    なぜなのでしょう。ひとことで言い表せる言葉をいまは持ち合わせていませんが、放射能という存在に人が否応なく惹かれ、なんとかこれを利用したいと願ってきた気持ちと、通ずるところがあるようにおもわれます。
    永遠を手に入れたいという人間の欲望に応えてくれそうなものとして、放射能や核というものはある。小林さんもそのあたりに感応しているのではないかと、勝手ながら想像します。



『光の子ども』(1、2、3)
小林エリカ
リトルモア