9月12日のリアルイベント小林エリカさん回の予習をいたしましょう。
小林さんが英語版・日本語版電子書籍を刊行した『還暦の花嫁』について。


「無邪気な女学生に、綾子は還っていた。」(『還暦の花嫁』より)

    長崎沖の島で暮らす綾子の本卦還り、すなわち還暦祝いをするために、かつての女学生仲間3人が集いました。
    式の前日には3人で、島の岬まで出かけていきました。時折り過去を思い出しながら、久しぶりに仲良く同じ時を過ごします。

    綾子はお嬢様育ちですが、火事で焼き出されたりと、これまでの半生でさまざまな喜怒哀楽を経験してきました。

「これだ、と一つを取り出せないのが綾子の孤独で、つきつめていけば、生きて在ること、である。あれほど希んできた、生きていること、が孤独の因をつくっている。」

    それはそうでしょう、還暦まで生きればだれしも、いろんなことがあるものです。ただ彼女たちは、何をするにしても思うにせよ、どうしても立ち返らざるを得ない過去を共有しています。
    仲間内で「九日」と呼ばれる一九四五年八月九日の被爆体験が、彼女たちの生につきまとっているのです。

    いまとなっては、四六時中そのことばかり考えているというわけではありません。それでも「九日」のことが彼女たちの頭から離れることはなく、保続音として生涯鳴り響いているのでした。

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文学茶話 vol.8 【小林エリカさん 、いまなぜ『女の子たち風船爆弾をつくる』を書き、林京子『還暦の花嫁』を出版するのですか?】お申し込み受付中です。

より様々な場所から参加頂きやすくできればということで、今回からオンライン配信(リアルタイム)も設けております。
これまで通り、参加後のアーカイブも文学茶話会員であればいつでもご覧いただけます。

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